
足場の資格を持っている前提で、実際の組立てから解体までの流れを3回に分けて説明していきます。

1. 組み立て前の準備
足場を架ける際に、足場の形はどれくらいで、どのくらい資材が必要かを知ることが2番目に重要です。※1番は安全です。
これが出来ないと、資材が足らないことにより、期限内で完成しない。
逆に多すぎで、現場までの輸送費がかかる、無駄に組み立てて、解体含めての人件費がかかる。
一番の最悪なことは少ない資材の数で作り、先行手摺や手摺などの支えがないため、落下事故につながる可能性があることです。
こうならないように、資材に関する知識、とび技能士という資格が必要です。
この記事ではこれらがある前提で、架け面積の出し方を説明していきます。
※知識が不安な方と資格がない方に関して、以下の記事を読んで頂けたらと思います。
【くさび足場で使う資材①】 ジャッキ、支柱、手摺の構造から組み立てまで解説あり!
【くさび足場で使う資材②】 手摺、ブラケット、踏板の構造から組み立てまで解説あり!
【くさび足場で使う資材③】 筋交、階段、トラスの構造から組み立てまで解説あり!
【くさび足場で使う資材④】 張出しブラケット、先行手摺、壁当てジャッキの構造から組み立てまで解説あり!
とび技能士・足場の組み立て等作業主任者・足場の組み立て等作業従事者を説明します!
2. 架け面積の出し方
架け面積とは、組み立てる足場の面積です。
実際に、2階建ての木造住宅1棟分(30坪)を想定して行っていきます。
2階建ての延べ床面積が90m²で、1階あたり、45m²になります。
45m²になるまたは近い、縦と横の組み合わせはいろいろありますが、今回は縦5mと横9mで考えていきます。
足場の幅は周りに住宅等がないと想定して、踏板4018を設置すると想定します。そうすると、足場の幅は0.5m必要です。
また、住宅と足場の距離を離して作るため、0.5m必要です。
足場の外周は縦の長さ:(家の縦の長さ+住宅と足場の距離+足場の幅)×2※2面あるため
横の長さ:(家の横の長さ+住宅と足場の距離+足場の幅)×2※2面あるためになります。
よって、縦の長さ:(5.0m+0.5m+0.5m)×2=12m
横の長さ:(9.0m+0.5m+0.5m)×2=20m
外周は32mになります。
足場の面積に関して、2階建ての高さは6mと仮定します。
この高さに0.5m高いのが足場の高さになります。この高さで住宅を覆うことができます。
足場の面積は外周×(住宅の高さ+0.5m)より、32×6.5=208m²です。
3. 必要な部材の算出
法律を守り、安全に考えて足場の完成後のイメージを作成していきます。
また、2足足場でAタイプを使っていきます。
引き続き、2階建ての木造住宅1棟分(30坪)を考えていきます。
手すり、ブラケットの使う場所を考えていきます。
踏板4018には大ブラを使います。
支柱と支柱を繋げるのに手摺を使います。
手すりを架ける場所は住宅の縦の長さに加えての住宅と足場の距離なので、6m分です。
6m分であれば、18手摺3本分と6手摺1本分になります。
本数に関して、高さによって変わるので支柱の本数を出してから、後で説明します。
固定ジャッキの本数に関して説明します。
44本になります。
同様に、固定ジャッキの下に敷くアンダーベースも同じ数必要です。
支柱の本数に関して、説明していきます。
固定ジャッキに先に挿す根がらみ支柱を使います。
これは固定ジャッキの本数分です。
基本、長い支柱を使っていき、足らない分を短い支柱で高さを調整していきます。
高さは6.5mです。
根がらみ支柱の上に、8コマ支柱を挿します。
そうすると、根がらみ支柱の高さと8コマ支柱の高さで、720mmと3600mmで4320mmです。
6.5mまで約2.2m必要なので、6コマ支柱を使います。
支柱の数は、根がらみ支柱と8コマ支柱、6コマ支柱で固定ジャッキの本数必要のため、それぞれ、44本になります。
踏板に関して、2mごとに設置していくため、3階分必要になります。
1階分は15枚の計45枚必要になります。
角に関して、4006を敷くため、1階分4枚の計12枚必要になります。
4018がしていない箇所は階段を設置していきます。
3階まで計3基必要になります。
手摺、ブラケットの本数に関して
大ブラは1階あたり28本必要です。
なので、計84本必要になります。
手摺は先ほどの説明で18手摺と6手摺が必要です。
18手摺は1階あたり14本必要です。足場の外側は先行手摺を取り付けます。
踏板の場所以外に、根がらみ支柱を固定しなければなりません。
よって、地上と3階分で計70本必要です。
6手は1階あたり4本必要です。
地上に関して、大ブラと長さが同じため、6手は4+28の32本必要になります。
よって、地上から3階分は計46本になります。
落下事故防止のために手摺と先行手摺を使っていきます。
足場から住宅の方向と足場の角には、手摺を使います。
それ以外は先行手摺を使っていきます。
落下事故防止のための手摺は踏板を掛けた大ブラのコマを基準に上に2コマ目と3コマ目に1本ずつ取り付けます。
以下は1階あたりの手摺の位置になります。
1階あたりの落下事故防止のための18手摺は24本、6手摺は20本です。
先ほどの計算と加えて、18手摺は112+24+24+24の計184本です。
同様に、6手摺は92本です。
先行手摺に関して
1コマ目3コマ目に取り付けて、次は4コマ目を飛ばして、5コマ目7コマ目に取り付けると繰り返していきます。
先行手摺1800が1階あたり14本必要です。
よって、計42本です。
6手摺分の長さの先行手摺がないため、6手摺を取り付けます。
上記の92本に加えて、1階あたり4本の計12本を足して、計104本です。
4. 必要な部材の種類と本数のまとめ
固定ジャッキ44本

アンダーベース44枚

8コマ支柱44本

6コマ支柱44本

18手摺184本

大ブラ84本

6手104本

先行手摺42本

階段3基

足場の組立てに関して、【足場組立の基本 2/3】 足場を組み立てるの記事に記載していますので、読んで頂けたらと思います。
