足場資材の危険な破損シリーズ⑥:階段編

足場資材の危険な破損シリーズでは、各足場資材における危険な破損を実際の写真を用いて紹介し、具体的にどのような危険性があるのかを解説していきます。
安全基準は仮設工業会の定める検査基準に準拠します。
第6回は『階段』です。
階段には大きく分けて鋼製階段とアルミ製階段がありますが、基本的にはどちらも注意が必要な場所は同じです。
早速見ていきましょう。

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目次

  1. フックの変形・破損
  2. つかみ金具の変形・欠落
  3. 階段の曲がり・歪み
  4. ステップの溶接部分の破損
  5. まとめ

1.フックの変形・破損

フックやつかみ金具については③踏板編でも触れましたが、読んでいない人の為にも再度説明します。(③踏板編はこちら)
フックが変形していると手摺やブラケットに正常にフックで固定できなくなってしまいます。
また、フックの径が歪んで小さくなってしまっているとフックに手摺が入らなくなってしまいますし、フックの径が大きくなってしまっているとフックによる固定が緩くなり揺れが大きくなるなどの弊害があります。

また、フックに亀裂などの破損があると、負荷がかかった際にフックが壊れてバランスを崩し、足場からの墜落や資材の落下などの重篤な事故に繋がる危険性があります。

2.つかみ金具の変形・欠落

踏板と同様に階段にもつかみ金具がついています。
このつかみ金具が変形していたり、欠落していたりすると手摺やブラケットとのロックが機能せずに階段が外れてしまう危険性があります。
ただし、階段の下側のフックには初めからつかみ金具が付いていないので、その点には注意しましょう。

3.階段の曲がり・歪み

階段に曲がりや歪み、捻じれなどがあると正常に階段を設置することが出来ません。
特に、階段の下側のフックにはつかみ金具が付いていない為、曲がりや歪みによって適切に設置できていない場合、下側のフックが外れてしまうなどの危険性があります。
また、画像のような大きな変形がある場合には、何か強い力が加わったことで変形している場合が多く、合わせて他の部分が破損してしまっている事が多くあります。
単純に変形した箇所を直すだけでなく、入念に点検するようにしましょう。

4.ステップの溶接部分の破損

ステップの溶接部分に破損があると、スッテプの強度が落ちてしまい、階段の昇降時にステップが壊れて転倒してしまう危険性があります。
特に、ステップの裏側の溶接はわざわざ裏返しにしないと確認する機会が無い為、破損していても気づきにくいので注意が必要です。

5.まとめ

階段は足場におい主要部材の一つです。
安全性の低い破損した資材を使ってしまうと、様々な重篤な事故に繋がる危険性があります。
また、上記の破損例はあくまでも1例であり、ここで挙げきれないような様々なケースが発生する可能性があります。
弊社でも入出荷の際に可能な限りチェックをしていますが、それでも混入を防ぎきれないものや、出荷後の運搬中に破損してしまい現場で使われてしまうケースもあります。
使用前に資材の状態をチェックするなど、危険な資材を使わないように安全対策を行う必要があります。

次回:足場資材の危険な破損⑦:筋交い(ブレス)編はこちら

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