足場資材の危険な破損シリーズ⑧:先行手摺編

足場資材の危険な破損シリーズでは、各足場資材における危険な破損を実際の写真を用いて紹介し、具体的にどのような危険性があるのかを解説していきます。
安全基準は仮設工業会の定める検査基準に準拠します。
第8回は『先行手摺』です。
早速見ていきましょう。

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目次

  1. 全体の曲がり・歪み
  2. 上部緊結部の破損
  3. 下部緊結部の破損
  4. 金具の破損
  5. まとめ

1.全体の曲がり・歪み

先行手摺全体に曲がりや歪みがあると、先行手摺を正常に設置することが出来ません。
曲がりや歪みがある状態で無理に設置しようとすると、緊結部に余計な負荷がかかり、破損の原因になります。
先行手摺は細長い形状の為、力が加わってしまうと変形しやすい資材ですので、特に注意しましょう。

2.上部緊結部の破損


先行手摺の上部緊結部は先送りで設置される部分であり、手元で確認する機会が少ない為に、破損があってもなかなか気づきにくい箇所でもあります。
先行手摺も通常の手摺と同様に作業者が支えとする資材です。
また、安全帯をかける資材であるため、万が一の作業者の墜落時の支えとなります。
破損によって緊結が外れた場合、作業者の墜落といった重篤な事故に繋がる危険性があります。

大きな負荷に耐えられるよう十分な強度が必要になりますので、破損が無いかを使用前に確認する必要があります。

3.下部緊結部の破損

先行手摺の下部緊結部はハンマーを用いて打ち込まれる部分になります。
その為、上部緊結部と比べても破損の可能性が高くなっています。
先行手摺の下部緊結部はクロス状態で緊結されており、破損により緊結が外れた場合に薙ぎ払うような挙動になる為、作業者に直撃した場合に墜落やケガなどに繋がる危険性があります。
単純に外から見た時は分かりづらいくとも、可動部が狭くなってしまっており正常に可動しないなどの可能性がありますので注意が必要になります。

4.金具の破損

先行手摺は他の資材と比較して形状が複雑であり、構成する部品数が多くなっています。
ナットなどの金具が破損したり欠落したりしてしまうと、強度が著しく下がり部品同士が分裂してしまう危険性すらあります。
また、金具に錆があると可動が悪くなり、設置難易度が上がっていきます。

5.まとめ

先行手摺は足場におい主要部材の一つです。
安全性の低い破損した資材を使ってしまうと、様々な重篤な事故に繋がる危険性があります。
また、上記の破損例はあくまでも1例であり、ここで挙げきれないような様々なケースが発生する可能性があります。
弊社でも入出荷の際に可能な限りチェックをしていますが、それでも混入を防ぎきれないものや、出荷後の運搬中に破損してしまい現場で使われてしまうケースもあります。
使用前に資材の状態をチェックするなど、危険な資材を使わないように安全対策を行う必要があります。

次回:執筆中

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