【猛暑を生き抜く】足場業界の熱中症対策

まだまだ猛暑が続く今日この頃ですが、皆様の職場では熱中症対策は万全でしょうか?
例年、熱中症による労働災害は後を絶たず、最悪の場合には被災者が死亡している例もあります。
特に、足場業界を含む建設業界では、炎天下での屋外作業が多いことや、足場資材が熱を持ちやすく、照り返しも発生させることから、特に注意が必要になります。
そこで、熱中症による労働災害を少しでも減らすために、正しい知識を持って対策を行っていきましょう。

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目次

  1. 熱中症とは
  2. 熱中症対策例
  3. 熱中症対かな?と思ったら
  4. まとめ

1.熱中症とは

熱中症対策を考える前に、まずは熱中症とは何かを学びましょう。
熱中症とは暑い環境で生じる健康障害の総称で、「熱失神」「熱疲労」「熱けいれん」「熱射病」の4つに分類されます。

「熱失神」は、皮膚血管の拡張による血圧低下により、脳への血流が悪くなることによって起こります。
「熱疲労」は、大量の汗をかくことによる脱水症状によって起こります。
「熱けいれん」は、大量に汗をかくことによる塩分不足によってい起こります。
「熱射病」は、体温の上昇を直接の原因として起こります。

また、熱中症はその症状の重症度によっても分類されます。
Ⅰ度:現場での応急処置で対応可能な軽傷
 例:立ちくらみ・筋肉痛・大量の発汗など
Ⅱ度:病院への搬送を必要とする中症
 例:頭痛・吐き気・王都・倦怠感・虚脱感など
Ⅲ度:入院して集中治療の必要のある重症
 例:意識障害・けいれん・運動障害・高体温など

上記のように、ひとえに熱中症と言っても、その原因や症状によって適切な対応策は様々です。
正しい知識を持って適切な対策を行うようにしましょう。

2.熱中症対策例

適切に水分・塩分補給を行う

暑い日には多くの汗をかくものです。知らず知らずのうちに大量の発汗により、水分不足や塩分不足をひきおこしてしまう危険性が有ります。
では、どのように水分・塩分補給を行えばよいでしょうか。
まず、摂取タイミングは喉が渇いてから水分補給を行うのはNGです!
喉が渇くのは水分が不足しているというサインですので、すでに摂取タイミングとしては遅いことになります。
適切な水分・塩分補給は自覚症状の有無に関わらず、作業の前後や作業中に定期的にこまめに摂取し、常に不足しない状態を維持し続ける必要があります。

水分の摂取にはスポーツドリンクが望ましいです。逆に、コーヒーやお茶、アルコールや水で行うのは好ましくありません。
コーヒーや緑茶といったカフェインを含む飲み物やアルコール類は利尿作用がある為、体内の水分を奪ってしまう可能性が有ります。また塩分を摂らずに水だけを摂取すると血中塩分濃度が下がってしまう可能性もあります。
ただし、スポーツドリンクは多くの糖分を含むため、気になる場合にはミネラル成分を多く含む麦茶などを摂取するようにすると良いでしょう。
塩分の摂取にはスポーツドリンクで水分と併せて摂取する他に、塩飴などによる摂取も有効です。

熱中症による労働災害を減らすためには、水分・塩分補給用にスポーツドリンクを用意する、定期的に水分・塩分補給を行うことを管理者によって指導徹底していくなど、積極的に熱中症対策の環境を作る必要があります。

適切に休憩を取る

炎天下での長時間の作業は、作業者の体温を上昇させてしまいます。
そこで必要になるのが、適切に休憩を取ることです。
では「適切な休憩」とはどのようなものでしょうか。

まず、休憩の頻度については当日の気温・湿度・風量といった気候的要因や作業内容・服装といった要因によっても左右されます。
こういった要素を考える為に暑さ指数(WBGT)という基準があります。
以下に環境省が出している暑さ指数についての簡単な解説と、具体的なWBGTの活用方法についての資料を掲載いたしますので参考にしてみて下さい。

環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは?
http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
熱中症を防ごう!
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/dl/h0616-1b.pdf

これらの内容を基に、1時間に1度の休憩とするか、30分毎にする、時には作業を中断するなどの対応を行うようにしましょう。

休憩の質も非常に重要です。単純に作業を止めているだけではあまり休憩の効果がありません。熱中症を避ける為には休憩時に体温をしっかりと下げる必要があります。
その為には、可能であればエアコンなど空調管理の行き届いた空間で休憩を行うこと、またそれが難しい場合でも、最低限直射日光を避け、風通しの良い場所で休憩を行う必要があります。
実際に直射日光を遮る設備の無い場所で休憩を行った労働者が、熱中症で死亡する事故も起きていますので、休憩場所の確保は管理者が正しく管理するようにしましょう。

熱中症対策グッズを使う

最近では様々な熱中症対策のグッズが各社から販売されています。
熱中症対策グッズを導入することで、熱中症のリスクは大幅に軽減されます。
ここでは、弊社で実際に導入されている熱中症対策グッズをいくつかご紹介します。

①空調服

扇風機付きの作業服のような商品です。
熱がこもりがちな作業服の中に直接風を送り込むので、体感でかなり涼しく感じます。導入費用は少し高めですがその効果は非常に高いと言えるでしょう。

②冷感ヘルメットインナー

ヘルメットの中に装着するインナーで、熱がこもるヘルメットの着け心地を改善します。また、洗濯可能でヘルメットと直接接触しない為、ヘルメットが臭うなどの夏場の衛生問題も解消しました。

上記のものは実際に弊社で採用し、効果が出ているものですが、世の中にはこれら以外にも様々な熱中症対策グッズがあります。
熱中症による労働災害のリスクを考えれば、これらの購入費用は決して高くはないと思いますし、作業環境の向上は業務効率や社員満足度の改善にも繋がりますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

3.熱中症対かな?と思ったら

熱中症を疑う症状が出た場合には、決して無理をしてはいけません。
無理してそのまま作業を続行してしまうと、熱中症が悪化して最悪の事態に発展してしまう危険性もあります。


熱中症が疑われる場合には、次のような応急処置を行いましょう。

①涼しい環境に移動する
 風通しの良い木陰やエアコンの効いた部屋に移動しましょう。

②脱衣・冷却を行う
 衣類を脱がせて体内の熱を外に出します。露出させた皮膚に水をかけ、うちわや扇風機などで扇いだり、氷嚢で首や脇の下、太ももの付け根などの血流が多い場所を冷やして体温を下げましょう。

③水分・塩分補給を行う
 水分・塩分の補給を行いましょう。ただし、意識障害がある場合には水分が気道に流れ込む可能性があるので避けましょう。また、吐き気や嘔吐の症状がある場合には、既に胃腸の動きが鈍っている可能性が有るので、経口での水分・塩分の補給は避けましょう。

上記の内容を実行しても症状が改善しない場合や、水分・塩分を自力で摂取できない場合、医療機関で診察を受けましょう。
また、意識障害などの重篤な症状が見られる場合には、すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。

4.まとめ

毎年、熱中症によって多くの方々が亡くなっています。
熱中症を甘く見ずに、管理者・作業者が共に正しい知識を持って熱中症対策に当たることで、熱中症による労働災害を撲滅できるよう努めましょう!

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