
筋交と階段とトラスについて、説明していきます。

1. 筋交とは?

手摺よりも細く、2本の支柱のコマにくさびを斜めに挿して、足場のお構造を補強する部材です。
建築物に必要不可欠で、建築基準法は一定の割合で筋交を入れなければなりません。
筋交を使うことで、横揺れが小さくなります。
読み方は「すじかい」か「ブレース」が一般的です。
筋交の各パーツの名称
クサビ

筋交の種類とタイプごとのサイズ資材の製造会社で、クサビの形は画像の通り様々です。

Aタイプの筋交をもとに以下のサイズが挙げます。
筋交(1800用)4コマ用
長さ2523mm
※斜めに架けた場合、縦1800mm横1800mmになります。

筋交(1200用)3コマ用
長さ1473mm
※斜めに架けた場合、縦1200mm横1200mmになります。

筋交(900用)2コマ用
長さ1249mm
※斜めに架けた場合、縦900mm横900mmになります。
筋交の使い方
2本の支柱の間と手摺の長さによって、使う筋交が決まります。
18手摺なら、1800用の筋交です。
メーカーによってコマへの挿し方が異なりますが、大きく分けて2種類あります。
稼働するクサビと外側のクサビで挟む筋交

コマに押し付けて、コマにクサビを挿す筋交

筋交は手摺と違い、斜めに挿します。
これにより、横揺れを防ぎます。
筋交の長さによってはコマのかける位置が異なります。
その為、2コマずらしの場合があれば、3コマずらしの場合があります。
※以下は筋交(1800用)を挿した画像です。

2. 階段とは?

作業員が安全に昇降できる資材です。
資材の素材はアルミと鋼鉄の2種類あります。
労働安全衛生規則では高さが1.5mを超えるところでの作業の場合、階段を設置しなければなりません。(526条)
昔は垂直のハシゴしかありませんでした。

1970年に組み立て式の階段「ダンダン」が登場しました。
1980年には鋼製階段が登場し、昔と比べて、落下事故が少なくなり、作業効率が上がりました。
現在では、落下防止のいろいろな工夫がされており、踏み外しや転倒を防止するために、勾配、踏面、けあげ高さなどに一定の制約があります。
※けあげ高さとは階段1段の高さ
踏面には滑り止めの技術が行われています。

階段の各パーツの名称
フック、金具、踏板

階段の種類とタイプごとのサイズ
※製造会社により、控えやフックの形が様々です。
主に以下の種類があげられます。
鋼製階段※Aタイプ
長さ2546mm幅400mmで架けた場合、高さ1800mm横1800mm

Bタイプは長さ2617mm幅420mmで架けた場合、高さ1900mm横1800mmです。
アルミ階段
長さは鋼製階段と同じです。
名前の通り、アルミを使っています。

ハーフステップ
Aタイプ長さ:1218mm

※Bタイプは長さ1309mmです。
階段の架け方
横幅1800mmのため、支柱と支柱の幅が1800mmの時に使います。
また筋交と同じく、18手摺を使っている場所です。
階段の幅より、6手摺の上に階段を架けます。

架ける下部のフックを手摺にかけてから、上部のフックを手摺に掛けます。
※この際に、手摺の代わりに大ブラでも大丈夫です。
ハーフステップは地上と足場を繋げる時に使います。
手摺とブラケットに関して、気になる方は【くさび足場で使う資材②】 手摺、ブラケット、踏板の構造から組み立てまで解説あり!を読んで頂けたらと思います。
3. トラスとは?

主にトラック等の出入り口の開口部として使用する資材です。
両端にはクサビがついており、サイズによってはホゾが1つか2つはついています。
大きい建物でトラックが出入りする際に、設置します。
名称は「トラス」または「梁枠(はりわく)」と呼ばれています。
トラスの各パーツの名称
クサビ、ほぞ、ピン、コマ


トラスの種類とタイプごとのサイズ
※資材を製造会社により、クサビの形が様々です。
主に以下のAタイプの種類があげられます。
3スパントラス
5400mm※1スパン1800mm

2スパントラス
3600mm

トラスの使い方
トラスの高さは3層以下、幅は3スパン以下で使用します。
目的に応じて、高さの調整を行ってください。
※例えば、トラックが足場をくぐる場合、トラックの高さ以上にします。
トラスのクサビは支柱コマに挿します。
トラスの両端を挿している2本の支柱にはトラスの高さまで、筋交を取り付けます。
コマにブラケットを挿し、踏板を挿して、足場を作ります。

以上で、筋交と階段、トラスについての説明になります。
【くさび足場で使う資材④】 張出しブラケット、先行手摺、壁当てジャッキの構造から組み立てまで解説あり!というより安全な足場を作成する資材の記事を書きましたので、読んで頂けたらと思います。
