
前回お話したとおり単管足場は建築現場の足場に使うことだけでなく、
DIYや畑・小屋などに使う場面があります。
また、一般人の需要が高いため、ホームセンターにもおいてあります。
単管パイプは「1.強度が十分に確保できること、2.一般人でも取り扱いが簡単であること、3.価格が安いこと」の3つのメリットがあります。
これから、誰でも単管パイプとクランプを簡単に使って組み立てられるように、
構造から組み立て方まで解説していきます。

1.単管パイプとは
単管パイプとは、直径48.6mmのパイプの形をした鋼管。
単管パイプは別名で「単管」や「パイプ」と言われています。
単管パイプの構造


従来のパイプSTK500
肉厚:2.4mmの(一般構造用炭素鋼鋼管)
JIS G 3444 引張強度 500ニュートン
ライト管
軽量タイプ肉厚:1.8mm
肉厚2.4mmと比較すると(高張炭素素鋼鋼管)、重量が24%も軽く、引張強度 700ニュートン※高張力炭素材
軽量タイプは足場に向いていませんが、自宅でDIYなど高さを出さない組み立てなら便利です。
単管パイプの長さは多くあり、規格外の単管パイプも販売されています。
基本、ホームセンターだと6m~1mのm単位で販売しています。
また、ホームセンター等に売っている単管パイプを切断する機材があります。
足場で使う単管パイプには端から7cmの所にピンが付いたものと、ピンの代わりにプレス加工でくぼませたものがあります。
プレス加工してくぼませたものを「ダボ」と呼びます。
※下の画像はピンです。

ピンまたはダボがあることで直線ジョイントで連結させることができます。
2.クランプとは

単管パイプや足場で使う資材に使うつなぎ金具。
主に、直交クランプと自在クランプを使います。
直交クランプ

直行する単管パイプの緊結のみを行うものです。
交差角度を90度に保持させる構造になっています。
緊結…部材を留め具などで結合すること
自在クランプ

交差する2本の単管パイプを任意の角度で緊結するものです。
単管パイプの交差角度が自在に変えられる構造になっています。
3連クランプ

直交型または自在型と1つクランプをあわせたもので、3本の交差緊結に使う場合のクランプです。
単管クランプの許容荷重
種 類 引張強度(kg) 許容荷重(kg)
直交クランプ 1500以上 500
自在クランプ 1000以上 350
クランプは使用しているうちに爪(つかむ所)が減り、ナットが締まらない、また締め過ぎにより、クランプが滑ってしまう場合がありますので、注意してください。
また、スパナの長さによって締め付ける力が違ってくるので、必ず既定のスパナ(クランプ回し)を用いることが必要です。
その他の資材
固定ベース

地上に設置して、足場を固定する資材です。
フックボルトと波板


フックボルトは波板や安全鋼板という板類を単管に固定する資材です。
小屋の組み立て方
6m×6mの扉のない小屋を組み立てると想定して組み立てていきます。
①固定ベースまたは固定ジャッキに単管パイプを挿します。
②①で挿した単管パイプに直交クランプを任意の高さに取り付けて、横軸にパイプを取り付けていきます。
そのあと、自在クランプとパイプで斜めに取り付けていきます。
横揺れ防止のためです。
③小屋の構造ができた後に、倒壊するかの安全確認を行います。
④波板にフックボルトとナットで取り付けていきます。
波板は4箇所固定の必要があります。
先に片側2箇所を取り付けます。波板に穴が空いていない場合、取り付ける方だけ波板キリを使い、穴を開けます。
⑤今回、波板は3.03mの長さを想定します。なので、屋根の真ん中に単管パイプを取り付けます。
⑥小屋の端から真ん中まで、波板を取り付けていきます。
フックボルトがついている片側を端につけます。
小屋が斜めの場合、雨が流れ落ちる方が下になるように重ねます。
重ねたら、2枚に穴を開けて真ん中の単管パイプに取り付けます。
小屋は6mのため、屋根に20枚必要になります。
⑦屋根を取りつけた後、3面に波板を取り付けていきます。
これで完成です。
※以下はイメージになります。

単管パイプとクランプはこの記事以外に様々な種類があります。
また、くさび足場や枠組足場にも使います。
くさび足場に関しての記事はコチラ
枠組足場に関しての記事はコチラ
これらに関して、次回の記事で紹介していきます。
