
足場とは建築工事において、高所作業における作業員の足掛かりのために、仮に組み立てた構造物の事です。
足場は以下の2種類に大別することが出来ます。
①パイプや丸太などを使って組み立てる組立足場

②屋上や梁などから吊らされている吊足場

現在は足場の材料には鋼製のパイプが多く使われており、丸太はほとんど使われなくなってきています。
この記事では、現在よく使われる組立足場である「くさび緊結式足場」「枠組足場」「単管足場」の3種類を説明します。

1.くさび緊結式足場とは?
くさび緊結式足場とは、一定間隔に緊結部を備えた鋼管を支柱とし、手摺や筋交等を支柱の緊結部にくさびで緊結するタイプの足場のことです。
ハンマー1本で簡単に組み立てが出来ることが特徴で、国内初めてのくさび緊結式足場の商品名から「ビケ足場」とも呼ばれています。
以前は木造家屋などの低層住宅工事用の足場として多く使用されてきましたが、近年では中層建築工事用、もしくは高層建築物の外壁の塗り替えなど、短期間の補修工事に使用されることも増えてきています。。

1-1 くさび緊結式足場の主要部材
基本部材構成は、ジャッキ、支柱、手摺、踏板、ブラケット、筋交、鋼製階段、先行手摺、壁当てジャッキです。
以下は各部材の画像です。









1-2 くさび緊結式足場の特徴
・ハンマー1本で組み立て、解体が可能。
・コンパクトに結束できるので、輸送コストが下げられる。
・組立が簡単でほかの足場より約20%作業時間を短縮できる。
・亜鉛メッキ処理されているので、錆に強く耐久力がある。
・主に、中低層建築工事用に使用されている。
・サイズ規格や形状によってさらに4つのタイプに分類される。
2.枠組足場とは
枠組足場とは、鋼管を門型に溶接された建枠を中心にジャッキ・筋交・鋼製布板などの基本部材を組み立てるタイプの足場のことです。
主に建設現場のビルの外壁面に沿って設置されます。
昭和27年に米国ビティスキャホード社より輸入したことから、建枠のことを「ビティ」・枠組足場のことを「ビティ足場」と呼ぶこともあります。

2-1 枠組足場の主要部材
基本構成部材は建枠・ジャッキ・筋交・ジョイント/ピン・アームロック・布板・壁つなぎ・手摺になります。
以下は各部材の画像です。








2-2 枠組足場の特徴
・足場の強度が高く、高層建築工事用に使用されている。
・インチサイズ・メーターサイズの2種類がある。
・ハンマーによる打ち込みが無いため、組み立て時の騒音が比較的少ない
3.単管足場とは
単管足場とは、鋼管で作られた単管パイプに、クランプなどの基本部材を組み立てるタイプの足場のことです。
単管パイプとクランプを軸に、柔軟に足場の形状を変化させることが出来るので、狭い場所でも足場を組むことが可能なことが特徴です。
主に低層の外壁塗装用の足場として使用されます。
組立が簡単で、部材がホームセンターなどでも購入できるので、DIYにもよく使われます。

3-1 単管足場の主要部材
基本構造部材は、単管パイプ・固定ベース・クランプ・単管ブラケット・足場板・ジョイントです。






3-2 単管足場の特徴
・狭い場所でも足場を組むことが可能
・主に使う資材が単管パイプとクランプのため、組み立てが簡単。
・部材がホームセンターなどで簡単に購入できる。
4.まとめ
・足場とは建築工事において、高所作業時に作業員の足掛かりの為に仮に組み立てられた構造物のこと。
・足場は組立足場と吊足場の2種類に大別される。
・組立足場は「くさび緊結式足場」・「枠組足場」・「単管足場」の3種類がよく使用されている。
より詳しい内容を知りたい方はぜひ、以下のリンクから見て頂けたらと思います。
・初心者向け! くさび足場を徹底解説【4つの資材の基礎知識】
・枠組足場とは? よく使う資材を徹底解説【足場/資材画像あり】
・【実は〇〇な単管足場】 メーカーから足場の種類まで徹底解説【くさび足場、枠組足場の比較あり】
