19歳女性鳶職が転落死 どうすればよかったのか、、、

今日は皆様に注意喚起を含めて、足場の知識王から悲しいお知らせです。
もうすでに他の記事でも取り上げられていますが、外壁工事現場で平成30年2月5日、19歳の女性鳶職が足場から転落し、死亡した事故があったそうです。

このような事故はあってはなりません。
今後、事故が起きないように、事故に至るまでの経緯をもとに考察しました。
もしよろしければ、読んで頂き、現場で活かして頂けたらと思います。

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・事故に至るまでの経緯

京都市内にある大学病院の外壁工事現場で起きたそうです。
女性鳶職が15.3メートル(5階付近)の高さから転落したそうです。
作業をしていた男性から「足場から女性作業員が落ちた」などの通報があったということです。

この通報から、救急隊や警察官らが現場に駆けつけたところ、コンクリートの路上に意識不明で倒れていたそうです。
病院に搬送され、搬送先の病院で治療を受けましたが、頭を強く打っており同日死亡が確認されたとのことでした。

同日は、午前9時ごろから女性鳶職を含む作業員6人で足場を組む作業を行っていたそうです。
女性鳶職は資材の搬入作業に従事していたとのことです。
資材の搬入するため、枠組足場の建枠と建枠の間に斜めに入れて転落を防止する資材「筋交」を外していたようです。
搬入し終わったら、搬入していた箇所に筋交を取り付けます。

ただ、職長は筋交を取り付けることを怠ったようです。
これにより、女性鳶職は筋交のない部分から転落したとのことです。
また、安全帯などを使用していなかったとのことです。

京都上労働基準監督署によると、筋交を復旧させなかった理由について、職長は「作業を急いでいたため、復旧させずに進めてしまった」と話しているとのことでした。

・原因

考察するに、安全、精度、効率の順番を崩して、作業をしていたと考えられます。
労働安全衛生法は安全を第一に考えて定めています。
今回該当する内容は以下の通りになります。
作業の必要上臨時的に足場の転落防止設備を取り外す場合、労働者に安全帯などを使用させなければならないと定めている。
また、設備を取り外す必要がなくなった後は「直ちに当該設備を原状に復さなければならない」

今回の経緯であれば、効率、精度、安全の順番になり、ソフト面が崩れたと考えられます。
※「ソフト面」とは、人材や技術、意識、情報といった無形の要素のことです。これに対して、「ハード面」という言葉があります。
大きく、以下の流れだと考察されます。

①ソフト面で効率を重視していったことによって、安全に対する意識の低下。
②ソフト面によって以下のことを怠り始めた。
1.安全に対する搬入し終わったら、搬入していた箇所に筋交を取り付けなかったこと。
2.安全帯をつけていなかったこと。
これにより、今回の事故が起きたと考察します。

・対策

対策として、現場の職長だけでなく会社の全社員が5Sの徹底、安全に対する意識を持つためにKYT(危険予知訓練)、資材の勉強をすることだと考えます。
これらの内容に関して、足場の知識王に記載しております。
今後も記事作成を行っていきますので、読んで頂き、現場で活かして頂けたらと思います。

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