くさび足場のタイプ見分けられますか?Aタイプ・Bタイプ・Cタイプを5つの資材で比較解説

足場屋さんに使っている資材を聞くと「Aタイプ使っている」「ビケ足場持っているよ」と返ってくる時があります。
これは製造会社によって、同じ名称でもタイプによって違う長さや独自のクサビの形をしている資材を作っているからです。

もし現場で「支柱が足らないから、発注してくれ」と聞かれた際に、名称は同じでも長さが違う資材やクサビが入らない資材の場合どうなるでしょう。
返品だけで済めばよいのですが、現場の作業期間が延びて、足場屋さんは無駄な人件費や依頼主からの信用を失う可能性があります。最悪は無理やり使ったことで高さが異なり、足場が傾いて、作業員の落下事故につながる可能性があります。
または資材が破損して、作業員の落下事故につながる可能性があります。

こうならないように流通が最も多いAタイプはじめ、Bタイプ、Cタイプについて説明していきます。

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目次

  1. 各タイプの特徴
  2. 各タイプの資材比較
  3. 各タイプのメリット/デメリット

1.各タイプの特徴

Aタイプ
くさび緊結式足場の中で最も流通量が多く、製造会社が多いです。
また、流通量が多いため、ホームセンターでも取り扱っている場合があります。
キャッチャータイプとも呼ばれています。

主な製造会社
製造会社名           商標名
信和                キャッチャーA
平和技研              ビルダー
ホリー               サスコム450A
光洋機械産業  モノシステム
ユハラ産業           スーパーマイキット
KRH                     KRH SYSTEM

Bタイプ
くさび緊結式足場の中で最も横揺れが小さいです。
国内で初めてのくさび緊結式足場です。
※開発者は「株式会社ダイサン」通称「ビケ足場」ビケタイプとも呼ばれています。

主な製造会社
製造会社              商標名
ダイサン              ビケ足場
信和                     キャッチャーB
平和技研              ビルダーα
ホリー                  サスコム475B
住金                     ビテイフォールド

Cタイプ
クサビが平べったいです。デメリットとして、横揺れが大きいです。
A/Bタイプに比べて、流通量が少ないです。
三共タイプと呼ばれています。

主な製造会社
製造会社              商標名
三共                     セブン足場
信和                     キャッチャーC

各タイプの資材比較

支柱


コマの間の長さが異なります。
左の画像からAタイプ/450mm、Bタイプ/475mm、Cタイプ/450mmです。
AタイプとCタイプは同じで、Bタイプだけ異なります。
また見分け方として、AタイプとBタイプはコマからホゾまでの長さでも見分けます。
左の画像はAタイプで165mm。真ん中の画像はBタイプで20mmとAタイプと比べて短いです。
右の画像はCタイプでコマが細長いです。

手摺

左の画像Aタイプと真ん中の画像Bタイプはクサビの形状が似ています。
しかし、角度が異なり、使えない場合があります。
右の画像Cタイプはクサビが平べったいです。

ブラケット

右の画像はAタイプです。
真ん中の画像はBタイプです。
比較するとコマがついているかで見分けられます。
左の画像はCタイプです。
他のタイプと比べて、クサビが平べったいです。

踏板

左の画像はAタイプです。
真ん中の画像はBタイプです。
比較するとAタイプは両側フックに対して、Bタイプの片側はクサビです。
右の画像はCタイプです。
両側フックは同じですが、控えは異なります。
画像で比較するとAタイプの控えが左右のフックに対して、横向きです。
Cタイプは縦向きです。

固定ジャッキ

ベースの寸法でAタイプとCタイプは140mmで同じです。
Bタイプは120mmです。

各タイプのメリット/デメリット

Aタイプは支柱の1コマ当たり450mmのため、1層のスパンが1800mmとなります。

他のタイプと比較して、メリットは足場の組み立てと解体が早いこと。
資材の製造会社が多いため、会社が異なっていても、互換性があることです。
これにより一つの会社で揃える必要がないため、価格重視で発注できます。納期する日程は現場の開始日等を考えることができます。
デメリットは特にありません。

Bタイプは支柱の1コマ当たり475mmのため、1層のスパンが1900mmとなります。
上記の各タイプの資材比較より、AタイプやCタイプと互換性がありません。
支柱は長さが異なり、ブラケットにはコマが付いている、踏板はクサビがついているので互換性がありません。
他のタイプと比較して、横揺れが少ないことです。
理由は緊結箇所が多いからです。
他のタイプの資材と比べると踏板やブラケットには、クサビに対応する形をしているからです。

デメリットはクサビの打ち込み、抜きの作業が多くなり手間がかかることです。低層足場(戸建て住宅で2階の場合、約7m~9m)であれば、手間はかからないですが、中高層(マンション等、10m以上45m以下※労働衛生安全規則より)になった場合、不向きかもしれません。また、Aタイプと比べて、割高です。

Cタイプはクサビが平べったいため、支柱などのコマもクサビに合わせた形をしています。
上記の各タイプの資材比較より、Aタイプの踏板は互換性があります。
支柱、手摺、ブラケットはクサビの形より、互換性がありません。
他のタイプと比較して、メリットは資材が軽いことです。
これにより、施工が早いことです。
デメリットは、クサビが平べったいため、揺れが大きいことです。
また、手に入りにくいため、最悪は製造会社との直接取引等しないといけません。

以上がAタイプ、Bタイプ、Cタイプについての説明でしたが、説明した通り、タイプによって、長さや形が異なります。
タイプの異なった資材で無理やり足場を作った場合、例えば、高さが異なり、傾いた足場になります。無理やりコマにくさびを入れて、破損してしまいます。

これらより、作業者の落下事故につながります。
事故を起こさないように、正しい資材の使い方を身につけて、安全な現場を築いていただけたらと思います。

資材をより詳しく勉強していただけるように、【くさび足場で使う資材①】 ジャッキ、支柱、手摺の構造から組み立てまで解説あり!を読んで頂けたらと思います。

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