【枠組足場で使う資材③】先行手摺、幅木、メッシュシートの構造から組み立てまで解説あり!

2018年の建設業における死亡者数は、測定や集計などの後、修正・検証を行わず、発表した数値によると、303人になります。
そのうち墜落・転落による死亡者数は135人になります。(約44.6%)
これらに対して、労働安全衛生規則等が改定して、墜落・転落災害の撲滅を図っています。

今回は安全性を高める先行手摺、幅木、メッシュシートを説明していきます。

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目次

  1. 先行手摺とは?
  2. 幅木とは?
  3. メッシュシートとは?

1.先行手摺とは?

「手摺」「筋交」の役割を行うことができる資材です。
この資材が出来る前は落下防止のため、手摺と筋交、親綱という安全帯(命綱のついたベルト)を資材に引っ掛けるためのロープを使っていました。
これらを設置するまでに、無防備な状態のため、安全な状況ではありませんでした。
しかし、先行手摺が開発されたことで、下段にいながら、上段に安全設備を設置することが可能になり、従来の問題点は改善されていきました。
また、解体の際も同様に改善されました。

先行手摺は資材名だけでなく、工法名としても呼ばれており、改善後は採用する現場が増えました。

先行手摺の各パーツの名称
製造会社によって、形は様々ですが、主に2種類に分類されます。
手すり据置き方式と手すり先送り方式です。

先行手摺のインチ/メーターの長さ
インチの幅:1,829mm、1,524mm、1,219mm、914mm、610mm
メーターの幅:1,800mm、1,200mm、900mm

高さに関しては製造会社によって異なります。

先行手摺の使い方
手すり据置き方式
枠組足場一段目が組み立てられる状況から取り付けを始めていきます。
中部を建枠の上部に取り付けます。
下部を2つの建枠の端に来るように位置を調整します。
調整し終わったら、下部を下げて、固定します。※先行手摺の両端についている3つの金具の位置は異なります。取り付ける際は、金具の位置が被らないように確認しましょう。

2段目にいきます。
作業者は二段目に上がり、安全帯を先行手摺に取り付けます。
取り付けた後、建枠を取り付けていきます。
先行手摺を一段目と同じように、取り付けて、鋼製布板を取り付けます。

これ以降は、2段目のやり方と繰り返しになります。

手すり先送り方式
手すり据置き方式と取り付け方は似ています。
枠組足場一段目が組み立てられる状況から取り付けを始めていきます。
中部を建枠の上部に取り付けます。
下部を2つの建枠の端に来るように位置を調整します。
調整し終わったら、下部を下げて、固定します。※先行手摺の両端についている3つの金具の位置は異なります。取り付ける際は、金具の位置が被らないように確認しましょう。

2段目にいきます。
作業者は二段目に上がり、安全帯を先行手摺に取り付けます。
取り付けた後、建枠を取り付けていきます。
先行手摺を一段目と同じように、取り付けて、鋼製布板を取り付けます。
ここまでは手すり据置き方式と同じです。

ここから異なることは、筋交を取り付けていくことです。
また、先行手摺を外して、取り付けての繰り返しを行っていきます。
以下で手順を説明していきます。
先行手摺に 安全帯を取り付けます。
建枠を取り付けていきます。
取り付けた後に、筋交を取り付けていきます。
先行手摺を外します。
外したら、一段上の建枠に、取り付けていきます。
取り付けた後、先行手摺を外します。
全て設置後の足場は、先行手摺でおおわれている状況になります。
これにより、作業員の落下防止につながり、安全性が高く、作業が行えます。

2.幅木とは?

建枠と建枠の間に、鋼製布板と平行に入れる資材です。
厚生労働省の労働安全衛生規則(足場等関係)の改正により、幅木は物体の落下防止措置として、必要になります。

幅木の長さ
インチの幅:1,829mm、1,524mm、1,219mm、914mm、610mm
メーターの幅:1,800mm、1,200mm、900mm
高さ15cm

幅木の使い方
労働安全衛生規則より、幅木の高さは10cm以上です。
メーカーによって、労働安全衛生規則を準じたうえで、15cm以下もしくは以上の幅木があります。
鋼製布板と同じく、建枠の上部にかけて、ロック金具で外れないようにします。
メーカーによって異なりますが、もともと開いてある状態もあれば、折りたたまれている状態もあります。
幅木は、両サイドの建枠に固定します。
これにより、筋交の下部からの落下防止の安全性が上がります

3.メッシュシートとは?

工具や資材等を工事現場外への飛来落下防止、塗料や砂塵の飛散防止を目的とした、材質がポリエステル等で作られた資材です。
防炎性もあります。
サイズや色はメーカーによって、様々です。

メッシュシートの使い方
メッシュシートの角にあるハトメ金具にロープを通します。
ロープを資材に巻き絞めて、取り付けていきます。

メッシュシートは原則として足場に取り付けます。
張り終わった頃には足場をメッシュシートで囲っている状況になります。

実際に記事で説明した先行手摺と幅木、メッシュシートを使用した枠組足場の画像になります。

これにより、安全性は高く、メッシュシートにより、足場の隙間から落ちたとしても、外側に行くことは少なくなります。
そして、内側に落ちていくため、落ちたとしても、一つ下の段で止まる可能性があります。

以上で、安全性を高める資材を説明してきました。
これらを正しく使い、安全な足場を建てていきましょう。
また、高層ビルなど以外で小さな足場としてローリングタワーという足場があります。
【枠組足場で組み立てるローリングタワー】 資材から組み立てまで解説あり!という記事に説明していますので、読んで頂けたらと思います。

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